楚帛書(最古の楷法) |
2012.8 研賜 |
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絹に筆をもって書かれた文字で、これが現在最古のもので、湖南省長沙近郊で発見された。戦国期(B.C.403−221頃)のもので甲骨文字及び金文と同種の文字。 この楚帛書は、周囲に神話的図像を持ち、四時、五正、五木、観星、行火、年月宜忌関係など神旨が記されており、戦国期の陰陽家も研究可。 (参考文献: 平凡社 書道全集。) これは価値無窮である。戦国期すでに楷書の筆法を含んでいることがわかる。神の旨を伝える書ゆえに技術的にも精神的にも極。甲骨文字の趣きと同じ。秦に滅ぼされた楚。興味がわいてくる。臨書は2倍程度実物より大きい。 孔子は、B.C.551−479で、中庸は、孔子の孫が書いたので、楚帛書とほぼ同じ時代だ。 なお、時系列的に言えば、楷書の方が新しい。戦国期には確立されていた筆法が、唐の時代あたりに楷書を生み出したことになる。便宜上、戦国期に確立された書法を含めて楷書の書法ということにする。
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戦国期楚帛書
楚帛書部分拡大
臨書
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