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はじめに

甲申黄鐘   研賜


 

日本では書をすることを書道と言いうが、中国では書法と言う。ここでは、主に中国の古典的な書法について紹介する。

現代の書と中国の古典的な書との大きな違いは筆使いにある。筆の使い方という観点から王羲之、顔真卿、欧陽詢、空海などの書を見るが、極力、臨書をして、感じたところを含めて、述べてゆくことにする。

根本的なところは、現在出版されている本では見ることができない内容になると思う。評論というよりは、当事者的なところで、書き進んでみる。

論の正確さの目安となるように、極力、書を示し、言行一致を目指す。

 

少しずつ古典書法を身につけながら、書いてゆくことになる。今は、自分の雅号すら筆で満足にかけないレベルにある。中国の古典的な用筆法に対して、あるいは臨書のように真似ることに対して、文化的な衝撃を受けている段階にある。

中国の古典書法が到達したところは、自己流で、個性のままに好きなように書いて、同じレベルへ到達しようとしても数千年も数万年も必要となる世界であると感じている。

筆者としては、このまま続けていくことで、いつの時点かで、自分なりの書が現れてほしいと考えている。

努力してという感じではないが、とにかく、筆を持ち、指先を、少しずつでも毎日動かしている。実践の跡をこのホームページに残してみる。