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一波三折(三折法)

乙酉初秋   研賜


古典書法において、三折という言葉で、思い当たるものは、一波三折といい、一画を書くのに3回方向の違った運筆をする方法のことである。

楷書の横画を、押さえて、引いて、押さえてという具合に書くような解説を見かける。しかし、これは、九成宮醴泉銘のような古典の書き方ではない。

俗に言われていることと違うことを言っているため、例として、書いたものを、掲載する。楷書における一波三折の例である。しんにゅう、右払いにご注目。

なお、これらは、動きがわかりやすいように、大げさに、現してみたものであるが、これは過ぎてしまっている。九成宮醴泉銘がこのようになっているということではない。ただし、九成宮醴泉銘は、ほとんどの点画に、三折つまり二つ以上の節が含まれている。節は、点画の中に、隠れていて見えない。