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文人画(墨竹)

甲申師走   研賜


文人画家が、好んで描いた四君子の内、墨竹を紹介する。水墨で描く竹を墨竹と言うが、下のように竹を描くことは中国では写すと言う。

中国の伝統的な文人画を習うこと自体とても貴重な体験をしていると思うが、今は、書の方に大きく興味が偏っている状態ではある。

 

研賜写元代趙孟ふ夫人之竹画

 

 

研賜写元代趙孟ふ夫人之竹画部分拡大

 

文人画は、教えていただいてから、半年程度である。(甲申師走)

 

調べてみると、この葉の写し方は、北宋の分同(ぶんどう)(1018−1079)に最も近い。中国絵画には、鉄線描という言葉があり、これは鋼(はがね)のように強い線を形容するとのこであるが、写した葉及び枝はそれに相当するようである。

一番右上の線は、書きいれるつもりがなくただ単に引いてしまった線であるので異質である。

 

画全体としては、未熟さが目立つが、線質の厳しさにおいては、比較可能なレベルにある。

画は書より易しいと言われている。宋時代の画が、手の届きそうなところにあることを不思議に思う。

 
 
 

 

 

 

文同の墨竹図を見ていると、顔真卿えい州帖と通ずるものがある。実際の竹を、宋代特有の「論理、理性」の目が静かに観察し、触覚が本質を一瞬にして把握する。墨が追いつかない程のスピードをもって、枝が、葉が写される。そして、写された竹は、生きて動く。

 

 

 

 

文同 墨竹図部分拡大

 

分同(ぶんどう)(1018−1079)

宋時代の人で、墨竹画の基礎を確立したと言われている。

 

分同墨竹図部分