漢隷老子乙本
漢隷老子乙本
漢隷 老子乙本
湖南省長沙 馬王堆三号前漢墓出土
楚帛書と同じ地域から出土している。甲骨文字と同じ趣きを持つ。湖南省長沙 楚の国は神秘的である。
隷書は漢武帝(BC156-87)によって正式書体とされた。筆者は漢を飛び越えて魏へワープ(隷書)していた。400年ほど時間を巻き戻す。
秦の時代においては、竹文で見たように篆書に隷意が入りはじめていた。漢の時代の正式書体漢隷は隷書に篆書が残ったものだ。
上は、漢隷老子乙本で、絹に書かれている。同じく絹に書かれた楚帛書と書き比べると隷書の理解が進む。
隷書は楽に書くことができる。しかし天への祈りのような精神性というのかそのあたりは同じものを感じることができる。
楷法とコインの裏表にあるような隷法をもつ文字を公式書体とした意味はなににあるのだろうか。
陰陽の国である。いわば陽の隷法と陰の楷法。広めるにあたって秘するとすれば陰の楷法。老子に曰く「曲則ち全」。
2012.01.09
老子に関してはほぼ同じ時期に書かれた甲本がある。より篆書に近い秦隷で書かれているとのこと。そうであれば甲本は陰である。後日調べる。今日は、乙本を軽く臨書した。見て受ける印象と臨書をして受ける印象は一致していた。2012.01.10
漢隷 老子乙本臨書