石鼓文(せっこぶん)

 

説どおり戦国期のものであれば、石に刻まれた文字として最古のもの。 楚帛書(そはくしょ)そして楚簡と時期は同じ頃。甲骨文字と同じように太さの同じ線による文字。したがって、筆法を深く探る文字ではない。大篆として分類されている。

 とこれで終わると愛想がない。ご覧のとおい石鼓文中に臨書を貼付けておいた。筆の特徴を生かし気持ちよく書ける範囲で臨書。

 石鼓文は秦の公式文字体である小篆及び摹印(ぼいん)つまり印章に用いる字体の両方の性質を含んでいることが理解できた。石鼓文は秦でも戦国期の秦のもので公式書体を定める前の時代のもの。

 歴史を見ると亀の甲羅、獣骨、石に刻む、絹、竹に書くというように、様々なものに、その特徴を合わせた書体を洗練させて記している。書くものの特徴に合わせることは皮膚感覚による。洗練とか美しさは人も含めた自然が本質として備えているもの。2012.01.08