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臨書

甲申黄鐘   研賜


 

 

 

 

臨書とは

臨書とは、手本とそっくりに書くことである。手本を手元に置き、可能な限り似せて書くようにする。筆で書く文字は、点と線の組み合わせであるとともに、点と線に形を持つ。臨書は、点線の形を含めて隅々まで似せることに意味がある。

古典は、点と線に意図した形がある。似せて書くようにすると得られるところが大きい。

そして、点線の微妙な形、かすれ、墨と紙との境界線の微妙な揺らぎから、筆を動かす速度、空中における運筆を読み取って、再現する。

筆使いを真似ることが大切

古典の臨書において、もっとも大事なことは、筆使いを真似ることである。

そうしないと、点の一つ、線の一つであれば、偶然にということはあるにしても、適度な速度で、真似をし続けることはできない。

息を止めて、まるで精密な塗り絵をしているような気持ちになる場合は、注意をしている。頭が勝っている状態で、自然な手の動きを伴っていない、書をすることによって、心の平静を得られるどころか、肉体を不自然に使うことから、ストレスを受けることになる。なによりも、書いたものは固く生きた気を伴わない。

 

古典書法の筆使い

例えば、楷書の「ー」は、起筆と終筆は、複雑な筆の動きを含んで成り立つ。しかし、動きが合理的で自然であるため、疲れにくく早く書くことができる。運筆中は、手首、腕、肘などの動きに伴い筆が自然に回転する。  参考:楷書「一」

  

そしてなによりも、中鋒つまり穂先が線の中心になることを大切にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

臨空海 風信帖